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脳を手術するとき麻酔は使われない

私たちは通常、傷ができたら痛みを感じる。しかし、「脳は傷がついたとしても痛みを感じない。そのため麻酔を使わずに手術を行う。」

本で読んでて気になったので調べてブログに乗っけた。

1.痛みを感じる仕組み

2.手術中には意識がある中で脳を摘出する

という順番で脳への傷は痛みを感じないことについて書こうと思う。

 

1.痛みを感じる仕組み

私たちの体のいたるところには神経が張り巡らされている。そのおかげで外からの情報を手に入れることができる。具体的に目からは光、耳からは音、鼻からは香り、舌からは味。そして、皮膚からは熱や圧力を感じることができる。

指を包丁で切ってしまったときには私たちは痛みを感じる。これは、皮膚から傷ができてるという信号が神経を通じて脳に送られ、脳が痛みという感覚を作り出し、私たちにけがの存在を気づかせようとするために起こる。

そのため、「ここにけががあるよ」という信号を送る神経がないと、私たちは痛みを感じることはできなくなる。イメージしてみよう。歩いてる最中に手の神経がなくなった。つまり手の痛みを感じない人の静脈ををスパーンと切ったとしよう。そしたら切られた相手は痛みを感じず、自分の出血に気づかないため、貧血でくらっとしてくる。体内の20%の血液がなくなると出血性ショック死の可能性が高まり、30%になると、失血死する可能性があるという。そしてくらっとしてきたときにはもう手当が間に合わない状況かもしれない。死だ。

この想像から、痛みに気づかないまま過ごさないために体中に神経があることは分かったと思う。しかし、脳には痛みを感じる神経が存在しないということがわかっている。これはほかの内臓と比べてしっかりと守られてるからかな?と私は思う。(元知りたい人は自分で調べて☆)

 

2.手術中には意識がある中で脳を摘出する

脳に腫瘍(ガン)が発見されました。となったあと、腫瘍部分は機能をもとに戻すことはできないため、手術で取り除く必要がある。で説明したように私たちの体には神経が張り巡らされている。そのまま体を切って手術を行うと、クッソ痛い。そのため通常は麻酔を使って神経の機能を停止させてから手術を行う。しかし、脳の手術を行うときは頭の上だけに麻酔を行い、意識がある中で手術が行われる。

これには2つの理由がある。1つ目は全身麻酔は局部麻酔と比べて死のリスクがあるためである。レアンドロ氏らのレビューによると1998年から2006年の間では麻酔による死亡率は0.001~0.570%であることがわかっている。患者としては死亡リスクは限りなくゼロにしたいからこれは妥当である。2つ目は患者の状態を確認するためである。脳は様々な機能を有しているため、取り除くと生きていくことはできるが、普段通りの生活を送れなくなる部分、体を動かす部分や、言語処理をする部分が存在する。それらを切除しないために、意識のある患者に会話をしてもらったり、写真の説明をしてもらったり、計算してもらったり、手足を動かしてもらい日常生活を送れる機能が残っているかを確認しながら摘出していく。

 

まとめ

私たちの体には痛みを感じる神経が張り巡らされている。これらはもしケガをしたときに、早く気づき、手当てをできるようにするためだ。しかし脳は神経から送られてきた信号で痛みを私たちに作り出すことはできるが、痛みを感じる神経を持っていない。そして、脳を切除する手術では、痛みを感じないことを利用する。最初の頭を開けるときにだけ局部麻酔を行い、全身麻酔をなくすことで死のリスクを減らし、患者の反応をみながら可能な限りの腫瘍を取り除くのだ。

 

おわりに

他の本で、ドーパミン(ごほうび:イメージでいうと脳へのお菓子)を生み出す脳の部分に電極ぶっさすっていう実験もあるんだよね。そのときも被験者の反応を見るために意識がある中で行われたんだって。患者として今後の生活もまともに過ごせるように意識がある中の手術は良いけど、実験体として意識がある中で反応を調べられるのは嫌だなぁ。

 

参考文献

Leandro G, et al(2009). Mortality in Anesthesia: A Systematic Review. Clinics. 64(10), 999–1006